区分所有と管理組合運営の難しさを感じた話

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※画像は私の住んでいるマンションではありません。

これは私が、所有するマンションでの輪番の理事だったときに、区分所有、ひいては管理組合の運営はちょっとしんどいなと感じた話です。マンション管理で少し(?)揉めていたのでその時の体験談を文字に起こします。

※前提としてこれから書く話は、私の住む小規模マンションでの出来事です。したがって大規模マンションではあまり起きない問題かもしれません。

ことの発端は、共用部の電力契約を消費電力にあわせて基本料金が割安となる契約にしてはどうか、と管理会社から理事会に提案があったところからです。(興味のある方はこちらでうまくまとめて頂いてますのでご確認ください)

当時の理事会では、理事であった私含め専門的知識を持った者がいませんでした。説明を管理会社から受けたものの、正確な判断が難しかったため総会で説明会を開催し、説明を他の組合員(区分所有者)にも聞いてもらった上で、賛成が多いようならコストも削減できるし進めてはどうか、といった比較的軽い雰囲気でこの議案を進めていました。

さて管理会社の提案から月日が経ち、総会と説明会(一緒に実施)当日となり、管理会社紹介の電気契約のコンサルを行う企業(以下、A社とします)から説明があった後、組合員からは当然ながら質問が噴出しました。

共用設備の消費電力を測って最大電力MAXギリギリで契約し、電気料金を削減しようという話が、電子ブレーカーをいれる・いれない、電子ブレーカーが落ちたときの復旧対応(既存のブレーカーも復旧対応は定めていない)はどうする、電子ブレーカーは入れずに自由化で別の事業者に切り替えてコスト削減をはかってはどうか、最大消費電力をきちんと測定できるのか、など複数の視点の話が重なり合って収拾がつかなくなりました。

事前に説明会不参加の組合員からは他の議案含めて全員賛成票を預かっていましたが、説明会に参加した組合員は、A社から実際に説明を聞いたところリスクが大きく不安であるとして全員反対票を投じました。したがって議決は説明会不参加組の全員賛成と、参加組の全員反対とで賛成が僅少に上回る半数に見事に割れつつ可決され、議案としては通っているのに契約変更は今はしないという宙ぶらりんな状態で膠着し、翌期の理事会での検討課題となりました(おそらく説明会不参加の組合員も真剣に考えず賛成票を投じたものと思います)。

しかしながら翌期の理事会でも結論がすぐにはでず、この件について何度かのアンケート実施が行われ、この翌期の総会でもこの話が具申され、その度に長時間の紛糾が起きた結果、昨今のエネルギー価格高騰の煽りと、時間の経過とともに管理への興味も薄れた組合員の精神的エネルギーの枯渇を受けて、現在は新契約をすすめる形で動いているようです。

正解はない話ではあるのですが、私は新契約を進めるのが正解ではないような気もしており、どうしたらよいのか未だにわかっていません。当時の理事会の判断として、却下せず組合員全員に判断を委ねたのもよくなかったのかもしれません。突然出てきたA社も、管理会社とずぶずぶなのかもしれません。とはいえコスト削減に努めなければ、今後の管理組合会計収支への影響は着実に出そうであるため、組合員全員できちんと受け止め考えるべき問題でもあると思います。かといってたかが輪番の管理組合で自分から理事長に立候補して中止するほど気概やファシリテーターとしての能力があるわけでもなく、新契約にはリスクがあるとはいえ直ちに問題になるわけではなく、コスト削減にはなりそうだし、なおかつ一度可決してるしと、ただただモヤモヤするばかりです。

たかが小規模マンションの電気契約ごときで青息吐息となっていますが、大規模マンションの理事長で、いろんな議案をまとめている方々ってすごいなあ、スーパーマンなんだなあと感じます(小並感)。


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