江戸川区の水害対策に一筋の光明か。荒川の洪水調整容量を新たに地下神殿10個分確保

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先日こちらのツイートが話題になっていました。

調べてみるとまさに何もせずに(正確には行政の調整だけで)荒川流域では洪水時の貯水量が800万立方平方メートル(以下、m³)増えました。

1級水系における各水系の水害対策に使える容量 | 既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議(第4回)議事次第

800万m³というとどれくらいかというと、地下神殿と呼ばれる首都圏外郭放水路1荒川流域を水害から守るものたち—地下神殿と調整池が67万m³ですから、その約10倍の量を上流のダムにためられるようになりました。二瀬、浦山、滝沢、有間、合角の5つのダムにおいて、台風の3日前から計画的に放水することにより、台風当日の貯水量を増やそうというものです。

一級水系のダム一覧 | 既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議(第3回)議事次第
二瀬ダム

2019年の台風19号の際には荒川第一調節池が、3,500万/3,900万m³の貯水量だったわけですから、前回のような台風が来ても単純に考えれば荒川下流域にもう少し余裕が生まれることになります。

記者発表資料 令和元年 台風第19号において荒川第一調節池で洪水量約3,500万㎥を貯留しました | 国土交通省

近年、台風の予測はスーパーコンピューターによるシミュレーションでかなり正確になっていることから、事前に放流することは十分可能に思います。線状降水帯の予測はまだまだ難しいようですが、今回の改革により江戸川区にとっても多少、安心材料が増えたように思います。


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