【逆説的思考】東京23区内に割安の家を持つなら川沿いが「なしよりのあり」

公開: 更新:2020-07-09

2010年代前半にアベノミクス開始されて以降の地価、原材料費、人件費の高騰によって東京都内の住宅価格、とりわけマンション価格は高騰しています。

不動産価格指数 | 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001346925.pdf

最近の新築マンションの立地は川か線路か幹線道路沿い

そんな中でも割安なエリアは、川沿い、あるいは幹線道路沿い、鉄道の線路沿いであることが多いです。川沿いは各地方自治体がハザードマップで示していますが、洪水時の浸水リスクがあります。武蔵小杉のタワーマンションが浸水したニュースが記憶に残っている方も数多くいらっしゃると思います。ぶっちゃけますと船堀は、荒川が氾濫すればマンションの2階部分天井までまるっと浸水するという想定を江戸川区が出しています。船堀だけでなくいわゆる城東エリアと呼ばれる江東5区、墨田・江東・足立・葛飾・江戸川はだいたいそうです。そんなエリアに実に250万人もの人が住んでいるのです。

江戸川区水害[洪水・高潮]ハザードマップ | 江戸川区
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/documents/519/chizu-nihon.pdf

幹線道路沿いと線路沿いの難点とは

一方で幹線道路沿いは窓に複層サッシが使われていることが多いため、窓を閉めれば静かですが、窓を開けると騒音が聞こえる、重量級の車両による振動を夜間に感じる、排ガスの影響をうけて洗濯物の外干しができない(幹線道路沿いは喘息持ちの子どもも多い1主要幹線道路沿道部 における大気汚染が
学童の呼吸器症状 に及ぼす影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/taiki1995/31/4/31_4_166/_pdf
ようです)などのデメリットがあります。

また、鉄道の線路沿いは幹線道路同様、騒音や振動に加えて、パンタグラフと電線の接触面でのスパークによる閃光などに影響を受けます。

川沿いという選択肢は「あり」なのか

フナボリストは、この中で割安を狙うのであれば最もリスクヘッジがしやすいのは川沿いだと考えています。理由としては、洪水は現代のスーパーコンピューターによる精度の高い気象予測により予見可能2天気予報、6月から早く詳しく 気象庁がスパコン更新
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30567750W8A510C1CC0000/
であり、加えて保険によりある程度の補償を受けることが可能だからです。前回の記事でも述べた通り、治水事業がされている河川は他の河川と比べて相対的に洪水リスクが低いですし、台風の進路や大雨が降る場所というのは数日前にわかります。そして、そのための備えも可能です。洪水さえ起きなければ、基本的には快適な環境で過ごすことができます。

幹線道路沿いで喘息になったからといって、行政訴訟を起こしたところで、公害としての被害が認定され補償される可能性は相当低いでしょう。また、線路沿いで窓を開けられないというのはかなり辛いものがあります。いくら換気口があるとはいえ、たまには窓を開けて部屋中の空気を一気に全部入れ替えて湿気を取ったり、空調を使うほどではないが暑いから窓を開けたりしたいときもあるでしょう。そう考えると川沿い、幹線道路沿い、線路沿いでベターなのはやはり川沿いなのではないかと考えるわけです。

川沿いに住むなら水災補償は必須

さて、洪水リスクのある川沿いの都市に暮らす際に必須なのが、水災補償(保険)です。
正式には水災「保険」という名称ではなく、水災「補償」といって火災保険のオプションとして付けられるものです。便宜的に「水災保険」とこの記事では呼びます。水災保険は一般的に、

  • 建物および家財の保険価額に対して30%以上の損害とみなされたとき
  • 床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水による損害があったとき

に保険金が支払われます。

洪水後に被害を受けた箇所の修復費用や家財道具の購入費用、がれきの撤去費用などをまかなえます。金額については火災保険に年間数千円程度上乗せすれば賄えます。ソニー損保でマンション向けプランのM構造で見積もりを出していますので参考までに掲載します。

保険料見積もり「保険料」(水災補償ありとなし) | ソニー損保
https://www.sonysonpo.co.jp/fire/

加えて建物と家財それぞれで補償が最高1,000万円弱まで出ますから、被災後に経済的に困窮するということはまずないかと思います(もちろん物理的・精神的に相応のダメージは負います)。

保険料見積もり「保険金額」(水災補償ありとなし) | ソニー損保
https://www.sonysonpo.co.jp/fire/

船堀もそうですが2020年現在で、前出の江東5区内と、人気のある城西エリアだと神田川・石神井川・多摩川周辺が、都心へのアクセスがよく割安な地域です。洪水リスクを考慮した上で、割安な物件を買い、経済的に余裕のある(住居費だけでなくその他の費用にお金を使える)生活をするのも悪い選択ではないとフナボリストは思います。もちろん命に関わることですから、これから家を探す方は真剣に考える必要はあります。また、水害は地球温暖化により年々被害が大きくなっていることは否定できない事実です。

Ⅰ我が国の水害リスクの現状 | 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/kasen/gaiyou/panf/pdf/c1.pdf

川沿いでなければ安心?

川沿いでなければ安心かというとそうでもありません。東京都には川沿いでなくても土石流や崖崩れの危険性のある「土砂災害警戒区域」や、大規模な火災時に救援活動が困難な「木密地域」もあります。結論としては身も蓋もないですが、リスクを考え出すと「東京に安心な場所はない」というのが実際のところです。

土砂災害警戒区域等マップ
http://www2.sabomap.jp/tokyo/
あなたのまちの地域危険度 | 災害時活動困難度ランク層
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/chousa_6/download/kikendo.pdf

さてこれまで見てきたように「川沿い」はあくまでオプションです。無理に住む必要はありません。けれども「予算は低めだけれども東京アドレスが好き」、「どうしても都内の新築に住みたい」と考える方は、選択肢の一つとして「川沿い」もありではないかと思います。

が、「そこまでして23区に住みたいの?」という声があるのも当然わかります。しかし実際には23区とそれ以外の市区町村では行政にそれなりの差があります3以下の記事で比較しています。
ギリギリ23区に住むVS東京寄りの神奈川・埼玉・千葉に住む。それぞれのメリット、デメリット
https://funaborist.tokyo/home-column/189/
。これについても今後解説していきたいと思います。

フナボリストとしては、防災拠点としての区役所が将来やってくる船堀4江戸川区役所が船堀に移転するのはいつ?防災拠点・免震・駅直結デッキなど、期待値高まる!
https://funaborist.tokyo/spot/206/
をおすすめしたいです。


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